ピラトとの対話 [ヨハネ受難曲]

2011年6月3日の練習

15番コラールから。

15. コラール
Christus, der uns selig macht,
Kein Bös' hat begangen,
Der ward für uns in der Nacht
Als ein Dieb gefangen,
Geführt für gottlose Leut
Und fälschlich verklaget,
Verlacht, verhöhnt und verspeit,
Wie denn die Schrift saget.

私たちに幸せをもたらすキリストは
何の悪事もしていないのに、
私たちの代わりに、夜中に
盗人として捕らえられました。
神を恐れない人々の前に連れだされ
虚偽の罪で捕らえられ、
嘲られ、侮辱され、唾を吐かれました。
それは聖書が語っているとおりなのです。

・・・・・・・・・・・・・・

最初から、今日はなんだかみんな低めだねぇ、
と先生はおっしゃって、
ちゃんと、音を聴いて!と、注意なさいました。

歌っていくうちに、普通くらいに戻っていきましたが、
たしかに、録音を聴くと、とっても低いし、
フェルマータに向うフレーズ感も無いですね。

それでも、少し調子が出てきたのか、
なんとか、通りまして、次の曲へ・・・

先生のエヴァンゲリスタ・・・
ピラトとの音色を使い分ける、先生は、
やっぱり凄いです。

そんなこと言っているうちに、
我々の出番。

16b. 合唱
Wäre dieser nicht ein Übeltäter,
wir hätten dir ihn nicht überantwortet.

「この男が罪人でなかったら、
あなたに引き渡したりはしていない」

この入りが難しくて・・・
準備をちゃんとしておくように、先生に何度も言われました。
唐突でもいけない、しかし、立ち上がりが遅くてもいけない。

同じような注意を、次の曲でも言われました。

16d. 合唱
Wir dürfen niemand töten.

「私たちには人を殺す権限がない」

まずは、入りをくっきりと。
ソプラノらしい美しい響きも無くさないで、

tötenは、トゥーにならないように・・・
それならば、テの方がましだというお話です。

ソプラノ55小節-tenはちゃんと到達すること。

次のエヴァンゲリスタを先生は歌って下さり、
イエスのパートも歌われました。

(イエス)「私の国はこの世のものではない。
もし、私の国がこの世のものであったら、
私のしもべ達が戦い、
私がユダヤ人に引き渡されないようにするだろう。
しかし いまは私の国はここにはない」

ここ、素敵なメロディのある、イエス様のレチタティーボです。
私のしもべ達が戦い・・・という場所に、バッハは、
動きのあるメロディをつけました。
演劇的です。

前々回の、
「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」
みたいですね。

この・・・私のしもべ達が戦い・・・
という個所は、武装した天使たちの姿が見えるような
凛々しい音楽です。
先生も、少し勇ましく、そこを歌われていました♪

それで、次のコラール

17. コラール
Ach großer König, groß zu allen Zeiten,
Wie kann ich gnugsam diese Treu ausbreiten?
Keins Menschen Herze mag indes ausdenken,
Was dir zu schenken.


Ich kann's mit meinen Sinnen nicht erreichen,
Womit doch dein Erbarmen zu vergleichen.
Wie kann ich dir denn deine Liebestaten
Im Werk erstatten?

ああ あらゆる時代にわたって偉大な王よ、
どうすれば あなたの正しさを十分に伝えられるでしょうか?
どんな人の心も、あなたに何を捧げればばいいか
思いつくことはできません。

私にはできません、
自分の心持を あなたの憐れみと比べることなど。
一体どうやって 私があなたの愛の業に
行為で返すことが出来るでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・
バスは、歩むように歌うこと。
力が入っていると、ろくな事にはならないです、と先生。
力が入ってても気がつかない人が多いけど、
まずは、気がついて。
それから上半身の力を抜いていくこと。

それから、

先生は、エヴァンゲリスタのパートと、
ピラトとイエスの対話をお歌いになりました。

18.Bibeltext

ピラトはイエスに言った。
(ピラト)「それでは おまえはやはり王だというのか?」
イエスは言った
(イエス)「あなたの言うとうり、私は王だ。
私は真理を示すために生まれ、
この世に来た。
真理から出た者は、私の声を聞く」
ピラトはイエスに言った。
(ピラト)「真理とは何か?」

ピラトはこう言うと、
再びユダヤ人たちの前に出て
彼らに言った。
(ピラト)「私は彼に 何の罪も見いだせなかった。
ところで、私がおまえたちの中の一人を釈放するのが、
お前たちの慣習になっている。
望むのなら、このお前たちの王を釈放するが?」
すると彼らは叫んで言った。
18b.
Nicht diesen, sondern Barrabam!

「その者ではなく、バラバを!」
・・・・・・・・・・・
罪深い部分です。
ピラトの「真理とは何か?」の問いに
イエス様は御答えにならず、
ピラトも再びは問わず、
群衆の力により
十字架になだれ込んでいきます。

・・・・・・・・・・・・

休憩後

判決の場面に入りました。
21.Bibeltext

先生のエヴァンゲリスタから。

兵士は茨で冠を編むと
それをイエスに載せ、
紫の衣を着せて言った。

21b. 合唱
Sei gegrüßet, lieber Jüdenkönig!
(合唱)「ごきげんよう、ユダヤの王様よ!」
・・・・・・・・・・・・・・

レガートに歌わず、良いテンポをもって。
アクセントはkönigにあります。
Jüdenkönigはノンブレス。

そして、先生のエヴァンゲリスタ・・・・

そして彼を平手打ちした。

ピラトは再び外に出てきて、ユダヤ人たちに言った。
(ピラト)「見よ、私は彼を連れ出そう、
彼に何の罪も認めないことを おまえたちに教えるためだ」
イエスは外に出されたが、
茨の冠と紫の衣を身につけたままだった。
そして、ピラトは彼らに言った。
(ピラト)「見よ、この人の様を!」
祭司長と従者たちはイエスを見て、
叫んで言った。

21d.
Kreuzige, kreuzige!

「十字架につけろ!十字架につけろ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピラトの「見よ、この人を!」は絵画の題材にも
沢山されていて、
ご覧になった方も沢山いらっしゃると思います。

Kreuzige, kreuzige!
は、美しい声で。
2声が合わせて入るKreuzigeは、合わせる意識を持って。


・・・・・・・・・・・・・・
ピラトは彼らに言った。
(ピラト)「自分たちで彼を連れていって、
十字架につければいいだろう、
私は彼に何の罪も認められない!」
ユダヤ人達はピラトに答えた。

21f. 合唱
Wir haben ein Gesetz, und nach dem Gesetz soll er sterben;
denn er hat sich selbst zu Gottes Sohn gemacht.
「私たちには律法があり、
それによれば彼は死ぬべきだ。
なぜなら 彼は自らを神の子と称したのだから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・

この合唱・・・佳境まっただなかなのに・・・
けっこうセリフを忘れていて、
様にならず・・・反省。

なんだか、ここの所、毎回最後の歌が
シマラナイ感じで終わってしまい、
次週持ち越しが多いので、
来週こそは頑張ろうと、心に誓う私でした(*^_^*)







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