安らかにお眠りください [ヨハネ受難曲]

2011年4月8日の練習

先生は、次回は39番の合唱に入りますと、
きちんとおっしゃっておりました。

それでも、私は、そうはおっしゃるものの、
復習もするだろう、と、
前回32番、ソロ部分を美しく歌って下さった、
先生のお声などを
うっとりと反芻しつつ、練習会場に入ったのですが、

先生のお顔を見たとたん、
今日は、39番の練習なのだと、
全身に気合が入りました。

そうなのです。ついに、39番です。

39. 合唱
Ruht wohl, ihr heiligen Gebeine,
Die ich nun weiter nicht beweine,
Ruht wohl und bringt auch mich zur Ruh!
 Das Grab, so euch bestimmet ist
 Und ferner keine Not umschließt,
 Macht mir den Himmel auf
  und schließt die Hölle zu.

安らかに眠ってください、聖なる骸よ、
私はもう あなたを悼んで泣きません。
安らかに眠り、そして私にも安息を与えてください!
 この墓はあなたのものに定められ
 もう どんな苦しみもその中に包みません。
 この墓が私に天の扉を開き、
  地獄への道をふさいでくれるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・

先生は、今回は、あまり細かい事は言わないよ、
と、おっしゃいまして、
全員で39番を歌って行きました。

しかし、やっぱり、ソプラノが歌い始めると、
止められて、wohlと歌う時に、身体が解放されなくては
いけないよ、と。
Gebeine,のGとかbとかweiterのwとかの子音をはっきりと
歌わなくてはいけないし、と。
そして、笑っておっしゃいました。
あ、細かい事は言わないんだったねと。

でも、それが先生のレッスンですもの、ね、みなさん(^_^)
19小節のRuht wohlは、緊張がまったく無く歌うこと。
しかし、実はとっても緊張しました。力も入っちゃいました。
そう、とても難しい曲です。
音程の上がり下がりはあるし。
でも、力んじゃうのは、この曲にはふさわしくないですよね。
本当に、安らかでいないと。

26小節のアルト、慣れてきたら歌ってくださいと、指示が出ました。

61、65小節ソプラノの前打音は、良い発声できちんと大きく歌うこと。

bringtのg , auch のchをちゃんと発音して。

68小節バスは、音が上がっていく所は、
反対に身体を下げて、支えること。

それから、112小節からを、歌いましたが、
先生は、なんだかうるさく聞こえます、と注意をされました。

ここは、バスもなく、入りは、バッソ・コンティヌオもありません。
静かな所に、ソプラノ、アルト、テナーだけの合唱があり
オーケストラは第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラの三つ
だけが、静かに音を鳴らしています。

「この墓はあなたのものに定められ
 もう どんな苦しみもその中に包みません。
 この墓が私に天の扉を開き、
  地獄への道をふさいでくれるのです。」

この歌詞の所です。

先生は、ここからは空気を変えてください、とおっしゃいました。

そして、冒頭に戻り、60小節目のフェルマータで終わります。
小沢先生の静謐な後奏が終わった後、
福島先生は、おっしゃいました。
「あと一つなんで、次回は40番行きます。」

・・・え
そうですか、40番。
終わるのですね。全部終わるのですね。

ありがとうございました、と、練習の終わった後の
挨拶が飛び交う中、
私の意識は、まだ、ヨハネの中にありました。
それは、小沢先生が40番を静かに演奏していてくれた
せいもあるかもしれません。

美しいソフトなソフトな音で、
青空の中に雪がひらひらと舞うように。

粉砂糖をまぶしたような、
キラキラとした小さな音で。

夢の中のように、その音が
ずっと続いているのでした。

苦しみも痛みもなく安らかに・・・



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